分裂期における染色体構築は細胞増殖に不可欠なプロセスである。本研究では、染色体がいかにして構築されるかを理解するために、主要な染色体構成タンパク質(コアヒストン、トポイソメラーゼII、コンデンシンⅠ)を精子クロマチンに適切に結合させることによって染色体構造へと変換させられるかを検討した。その結果、上記の因子に加えて3種類のヒストンシャペロン(ヌクレオプラズミン、Nap1、FACT)とATPが含まれるシンプルな組成の反応液を用いて、染色体構築プロセスを再現できることが判明した。今後、この新しい再構成系を用いた解析によって、各々の因子が染色体構築に果たす役割の詳細な解析が可能になると考えられる。
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