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2013 年度 実施状況報告書

リン酸化モチーフの比較進化解析から細胞機能とモチーフの関係を明らかにする

研究課題

研究課題/領域番号 24770190
研究機関金沢医科大学

研究代表者

吉崎 尚良  金沢医科大学, 医学部, 助教 (00443490)

キーワードリン酸化シグナル / モチーフ解析
研究概要

キナーゼは、基質配列の構造に特異性を持つものが多く、いくつかのリン酸化モチーフが報告されている。タンパク質リン酸化は、キナーゼによって触媒される反応(Manning, Whyte et al. 2002)である。ヒトゲノム中には518のキナーゼがコードされており、キナーゼは、基質配列の構造に特異性を持つものが多い(Ubersax and Ferrell 2007)。しかしキナーゼの数に比して報告されているモチーフの数はまだまだ少ない(Ptacek, Devgan et al. 2005)。キナーゼ-基質関係の情報の欠如は複雑なリン酸化シグナルの解明の大きな障害になっており、新規モチーフの取得は、複雑なリン酸化シグナル経路研究の解明に寄与する。
本研究では、ヒトゲノムにコードされている全セリン、スレオニン、チロシン残基の周辺配列と、リン酸化が知られている、セリン、スレオニン、チロシン残基の周辺配列を比較することで、リン酸化セリン、スレオニン、チロシンの周辺で特徴的に配置されているアミノ酸をポジション毎に明らかにし、モチーフ様配列を同定した。同定したモチーフは、比較進化解析を行い生理的重要性のパラメータとして、Conservation Indexを取得した。同定したモチーフは、進化的に保存される傾向があったことから、生理的に重要なモチーフを同定できたことを示唆した。さらに、同定したモチーフと疾患との関係を明らかにするために、SNPデータベースを用いモチーフと疾患との相関を調べた。その結果同定したモチーフの一部では、疾患への影響が有意に高かった。
これらの結果は、この1次構造からのモチーフ予測法は、生理的に重要なモチーフの抽出に有効であり、新規疾患因子のスクリーニングにも利用できる可能性があることを示している。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

4: 遅れている

理由

本年度は、モチーフ取得法の変更や、生理機能解析のやり直し等、研究計画に大きな変更が生じた。これは、本年度の学会発表や論文投稿に伴い受けた様々な指摘を総合的に判断した結果、今後の研究を大きく進展させるためには必要な処置と考えたためである。

今後の研究の推進方策

[現在までの達成度]の項目で述べたように研究計画に大幅な変更が生じた。これに伴う研究の遅れは、来年度の研究計画の縮小で対応する。具体的には、計画書に示したリン酸化モチーフと対応するキナーゼの同定は、京都大学で同様のしかし、より大規模な計画が進行していることが報告されたことからこの項目を中止する。それに代わり、バイオインフォマティクス解析で同定したモチーフの生理的意義の生化学、細胞生物学的な裏付けの研究に注力する。

次年度の研究費の使用計画

予算をあまり使用しないin sillico解析の大幅な遅れから、予算を大きく振り分けていた生化学、細胞生物学的な解析に大幅な遅れが出たため、次年度使用額が発生した。
物品費として、分子生物学試薬、生化学試薬、細胞培養試薬およびその消耗品の購入に充てる。旅費として分子生物学会、ASCB、協力研究者との研究打ち合わせ旅費を計上する。その他経費としてペプチド合成にかかる費用を計上する。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2013

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] Evolutionary analysis of the phosphorylation signaling reveals functionally conserved motifs2013

    • 著者名/発表者名
      吉崎尚良, 奥田修二郎
    • 学会等名
      第36回分子生物学会年会
    • 発表場所
      神戸ポートアイランド(兵庫県・神戸市)
    • 年月日
      20131203-20131206

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公開日: 2015-05-28  

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