研究課題
本研究では、Xenopusの創傷治癒メカニズムを参考にしながらマウス胚とマウス成体の創傷治癒メカニズムを分子・細胞レベルで比較し、マウス成体で真皮の再生を伴う創傷治癒が可能になる条件を明らかにすることを目的としている。Xenopusと同じ両生類であるAxolotlにおいて、マクロファージを欠損させると四肢再生が異常になるという報告がなされた(Godwin JW et al., 2013 PNAS)。そこで平成26年度はこの論文と同様の手法を用いてマクロファージを欠損させた場合、マウス胚の皮膚再生が異常になるかどうかを確認した。昨年度と同様の手法(exo utero μサージャリー)でマウス13.5日胚ならびに17.5日胚の皮膚に人為的に創傷を形成させた上で、liposome中にclodronateを含有するクロドロン酸リポソーム(Clo-Lipo)をそれぞれの腹腔に注射して24時間発生を進め、Clo-Lipo注射の有無で創傷治癒の状態が異なるかどうかを確認した。1日齢の皮膚に対しても肉眼下での戦闘による創傷形成を行い、同様にClo-Lipo注射の有無で創傷治癒の状態が異なるかどうかを確認した。平成26年度中にはマクロファージマーカーのF4/80, CD68のマウス胚における免疫染色とマウス胚マクロファージを欠損させるためのLipo-Clo注射条件検討までしか行うことができなかったのだが、いずれも必要な条件を明らかにすることができた。この条件を用いて引き続き創傷治癒の状態の比較を行っていきたい。
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Developmental Biology
巻: 396 ページ: 31-41
10.1016/j.ydbio.2014.09.018
http://www.biology.tohoku.ac.jp/lab-www/tamlab/research/recent_pub.html