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2013 年度 実績報告書

栄養・代謝状態による神経管閉鎖制御の分子機構

研究課題

研究課題/領域番号 24770207
研究機関京都大学

研究代表者

日下部 杜央  京都大学, 生命科学研究科, 助教 (80378843)

キーワード発生・分化 / シグナル伝達
研究概要

脊椎動物の神経系は、平板な組織(神経板)として形成された後、管構造(神経管)へと変化する。この管形成過程は「神経管閉鎖」と呼ばれ、複雑な細胞形態変化と細胞移動を伴う。神経管閉鎖の異常(神経管閉鎖障害)は、先天性心疾患に次いで2番目に多いヒトの出生前発生異常であり、その予防は母子保健上もっとも重要な課題の一つである。母親が肥満・糖尿病の場合、胎児の神経管閉鎖障害のリスクが高まることが知られているが、肥満・糖尿病ともにグルコース代謝の異常と深い関連があることから、栄養・代謝状態によって神経管閉鎖が制御されることが予想される。しかしながら、その分子機構は不明な点が多い。私は、栄養・代謝状態を感知するメタボリックセンサーAMPKがアフリカツメガエル初期胚において神経管閉鎖を制御する可能性を示唆する結果を得た。AMPKノックダウン胚の形態変化について詳細に解析したところ、AMPKは神経管の前部の閉鎖過程に重要であることがわかった。さらにリン酸化AMPK抗体によるウェスタンブロッティングを行ない、胚発生の進行にともなってリン酸化 AMPKの量が増加することを見出した。さらにAMPKのノックダウン胚において、細胞骨格関連タンパク質のリン酸化が減少することを見出し、AMPKが細胞骨格を制御することにより神経管閉鎖を制御する可能性を示した。解糖系の阻害剤を初期胚に投与したところ、神経管閉鎖の異常は観察されなかった。さらにノックダウン実験によって、神経管閉鎖を制御する新規シグナル分子を複数同定した。現在これらの新規シグナル分子とAMPKの相互作用について解析中である。

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公開日: 2015-05-28  

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