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2014 年度 実績報告書

クロマチン修飾制御を介した生殖細胞特性の形成・維持メカニズム

研究課題

研究課題/領域番号 24770211
研究機関神戸大学

研究代表者

高崎 輝恒  神戸大学, 理学(系)研究科(研究院), 助教 (30615539)

研究期間 (年度) 2012-04-01 – 2015-03-31
キーワード生殖細胞 / ヒストン修飾 / 線虫C. elegans
研究実績の概要

生殖細胞と体細胞の違いを生み出すメカニズムの解明を目指し、本研究課題では線虫C. elegans の発生分化過程をモデルに、エピジェネティック制御機構、とりわけヒストン修飾を中心としたクロマチン修飾制御機構に着目した解析を行なった。
平成26年度は、前年度に見出した、クロモドメイン蛋白質MRG-1が仲介因子となって生み出される生殖細胞遺伝子座上の特徴的なヒストンアセチル化修飾の蓄積について、更に研究を発展させ、生理的意義の解明を目指した。具体的には、ヒストンアセチル化修飾が生殖細胞特異的な転写伸長反応の制御に寄与しているとの作業仮説のもと、転写伸長促進因子の活性調節制御に働く新規因子の同定の為のトランスジェニック線虫の作成に取り組んだ。更に、その過程においてMRG-1が始原生殖細胞の転写抑制制御に関与することを見出し、クロマチン制御による始原生殖細胞の未分化状態維持機構の一端を解明するに至った。また、MRG-1自身がどのような発現制御を受けるかについても詳細な解析を行い、母性に供給されたmrg-1遺伝子のmRNAが3’UTRを介した安定性制御によって、胚発生後期の始原生殖細胞へ限局することを突きとめた。生殖細胞の特性維持に必須な母性クロマチン修飾制御因子の多く(MES-4など)は、MRG-1と同様の発現パターンを示す為、これらの因子は共通した機構によって発現制御が行なわれている可能性が高い。生殖細胞には、特徴的なRNA顆粒(生殖顆粒)が存在するが、MRG-1やMES-4の限局メカニズムは生殖顆粒に依存しないことを突き止めた。以上の解析結果を踏まえ、始原生殖細胞には、これまで知られていた局在化機構とは異なる新規の制御メカニズムによって母性のクロマチン制御因子を局在化させる仕組みが存在し、体細胞と生殖細胞のエピジェネティックな違いを確立する為に貢献していると考えられる。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2014

すべて 学会発表 (5件)

  • [学会発表] 線虫C.elegansにおけるクロモドメイン蛋白質MRG-1の始原生殖細胞への限局メカニズムの解析2014

    • 著者名/発表者名
      巳波孝至、井上邦夫、坂本博、高崎輝恒
    • 学会等名
      第37回日本分子生物学会
    • 発表場所
      パシフィコ横浜
    • 年月日
      2014-11-25 – 2014-11-27
  • [学会発表] 線虫C.elegansにおける、クロモドメイン蛋白質MRG-1の始原生殖細胞への限局メカニズムの解析2014

    • 著者名/発表者名
      巳波孝至、高崎輝恒、井上邦夫、坂本博
    • 学会等名
      第5回サイエンスフロンティア研究発表会
    • 発表場所
      神戸大学
    • 年月日
      2014-10-25 – 2014-10-25
  • [学会発表] The mechanism for enrichment of a chromodomain protein MRG-1 into the primordial germ cells in C. elegans2014

    • 著者名/発表者名
      Takashi Miwa, Kunio Inoue, Hiroshi Sakamoto, and Teruaki Takasaki
    • 学会等名
      C. elegans Development, Cell Biology and Gene Expression Meeting in Association with The 6th Asia-Pacific C. elegans Meeting
    • 発表場所
      奈良県新公会堂
    • 年月日
      2014-07-15 – 2014-07-19
  • [学会発表] Analysis of the mechanism to enrich a chromodomain protein MRG-1 into the primordial germ cells in C.elegans2014

    • 著者名/発表者名
      巳波孝至、井上邦夫、坂本博、高崎輝恒
    • 学会等名
      第47回日本発生生物学会
    • 発表場所
      ウインクあいち、愛知県名古屋市
    • 年月日
      2014-05-27 – 2014-05-30
  • [学会発表] MRG-1 acts as an epigenome interpreter of Lys36 methylation on histone H3 in C. elegans germline development2014

    • 著者名/発表者名
      Teruaki Takasaki;Andreas Rechtsteiner;Thea Egelhofer;Jeremy Kreher;Erina Shigeyama;Hiroshi Sakamoto;Susan Strome
    • 学会等名
      第47回日本発生生物学会
    • 発表場所
      ウインクあいち、愛知県名古屋市
    • 年月日
      2014-05-27 – 2014-05-30

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公開日: 2016-06-01  

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