動物の発生を考える上での古典的な問題の一つである「スケーリング」の物理的基盤を解明するために極性タンパク質PARに着目した。スケーリングの分子・物理的基盤を明らかにするために、1分子イメージングにより細胞内タンパク質動態を包括的に計測した。得られた物理パラメーターを数理モデルに導入し、非対称局在を再現することに成功した。計測結果とモデルの解析から、これまでの報告とは異なり、極性タンパク質PAR-2の非対称局在は細胞表層を拡散によって移動できないほど早い細胞膜と細胞質間の交換反応によって維持されることがわかった。今後、早い交換反応のスケーリング現象における機能を明らかにしていく。
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