脊椎動物の背腹軸は、オーガナイザーから分泌される二つの背側化因子Chordin、Nogginの濃度勾配に従って構築される。しかし、これらは同じBMP阻害活性を保持しており、何故二種類の分子が背腹軸形成に必要か明らかにされていない。本研究課題では、これら二つの分子が胚内で異なる空間分布を示すことを明らかにした。Chordinは分解速度が早く急勾配を形成するが、Nogginは分解速度が遅く緩勾配を形成する。さらに、Chordinの分解を介して、胚サイズ依存的にChordinの濃度勾配が適切に制御されることを明らかにした。
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