真骨魚類の孵化酵素遺伝子は、遺伝子の重複・多様化進化過程で、重複遺伝子の一方が新規機能を獲得して、効率の良い卵膜の分解系が生じたことが分かっている。メダカの機能維持遺伝子(HCE)に変異を入れた変異リコンビナントタンパク質を大腸菌の系を用いて作成し、新規機能活性を持つ酵素(LCE)の作成を試みた。HCEのアミノ酸のうち5残基をLCE様に変化させた孵化酵素を作成したところ、LCEの特異的な切断点のペプチドを分解する活性が得られることができた。本研究は、進化過程でのどのようなアミノ酸変異が、新規機能獲得遺伝子を生じるかを解明する手がかりとなる。
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