研究課題/領域番号 |
24780002
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研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
藤本 龍 新潟大学, 自然科学系, 助教 (60620375)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2014-03-31
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キーワード | エピゲノム / アブラナ科 |
研究概要 |
本研究は、日本及びアジア地域で主要な野菜であるハクサイ (Brassica rapa)を用いて、ゲノム全体のエピジェネティックな修飾状態を明らかにすることを目的としている。今年度は、転写抑制のマークである、DNAのメチル化とH3K27me3 (ヒストンH3の27番目のリジン残基のトリメチル化)についてそれぞれ、Methylated DNA Immunoprecipitation sequencing (MeDIP-seq)とChromatin Immunoprecipitation sequencing (ChIP-seq)を行った。MeDIP及びChIPにより、それぞれの修飾状態を有するDNA断片が得られているかをquantitative PCR (qPCR)による確認を行った。qPCR用のプライマーは、DNAのメチル化修飾を持っていることが、自身の以前の研究で明らかにしたトランスポゾン配列中に作成した。H3K27me3においては、シロイヌナズナでH3K27me3を有していることが示されている遺伝子のオーソログ遺伝子内にプライマーを作成した。両方ともに、免疫沈降によりそれぞれの修飾を有するDNA断片の濃縮に成功していることを確認した。そこで、次世代シークエンサーを用いて、DNA断片のシークエンスを行った。MeDIP-seqにおいては、現在シークエンスを依頼中である。ChIP-seq (H3K27me3)においては、およそ2200万リード、750Mbpのシークエンス断片を決定した。現在、得られたシークエンスをリファレンス配列にマップしている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
全てで、DNAのメチル化と4つのヒストン修飾を調べる予定であり、今年度はその内の2つを行うことができた。今年度に実験技術を習得できたことから、平成25年度に残り3つのヒストン修飾においても迅速に行うことができると考える。
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今後の研究の推進方策 |
残りのエピジェネティクス修飾について、ChIP解析を行う。これらの結果を既に解析が進んでいるシロイヌナズナの結果と比較することで、エピジェネティック修飾の種間での相違点が明らかにできる。低温条件下や、病害感染時のエピジェネティックな修飾変化をMeDIP-seq、ChIP-seqを用いてゲノムワイドに調べる予定である。
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次年度の研究費の使用計画 |
分子生物学研究用試薬
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