研究課題
本研究では、日本及びアジア地域で主要な野菜であるハクサイ (Brassica rapa)を用いて、ゲノム全体のエピジェネティックな修飾状態を明らかにすることを目的として研究を行った。昨年度は、ゲノム全体のDNAのメチル化状態をMethylated DNA Immunoprecipitation sequencing (MeDIP-seq)で、ヒストンH3の9番目のリジン残基のトリメチル化 (H3K27me3)の修飾状態をChromatin Immunoprecipitation sequencing (ChIP-seq)で、明らかにした。今年度は、H3K4me3、H3K9me2、H3K36me3の修飾状態を明らかにする為に、ChIP-seqを行い、それぞれ2000万から4000万リード、700Mbpから1400Mbpのシークエンスを決定した。ChIP-seqを行う際にはそれぞれの修飾を有するDNA断片の濃縮を確認する必要があるが、B. rapaでは、濃縮を確認できる領域の報告がほとんどないことから、ChIP-PCR、ChIP-qPCRにより、H3K4me3、H3K9me2、H3K27me3、H3K36me3の修飾を有する領域のスクリーニングを行い、それぞれの修飾の濃縮を確認できる領域を3箇所以上揃えることができた。また、春化処理後や病原菌感染時にみられるゲノムワイドなエピジェネティックな修飾状態を明らかにすることを目的に研究を行い、春化処理後には、鍵遺伝子であるFLCにH3K27me3の修飾が蓄積し、FLCの転写レベルが下がることを明らかにし、さらに春化処理後のH3K27me3のChIP-seqを行った。また、病原菌感染では、フザリウム菌に着目し、エピゲノム解析を行うのに最適なステージの検討を行った。
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