研究課題/領域番号 |
24780008
|
研究種目 |
若手研究(B)
|
研究機関 | 独立行政法人農業生物資源研究所 |
研究代表者 |
小林 史典 独立行政法人農業生物資源研究所, その他部局等, 研究員 (80584086)
|
研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
|
キーワード | コムギ / 赤さび病 / 6B染色体 / RW-12 |
研究概要 |
(1)赤さび病接種試験の結果、「農林61号」を遺伝的背景に持つ「さび系20号」で3レースに対する抵抗性が確認できず、抵抗性遺伝子が脱落していると推察された。また、「Thatcher」はレース「1B」に対する抵抗性を持つと過去に報告されたが、今回の試験では抵抗性が確認できず、3レースに対して罹病性を示した。「Webster」は過去の報告と同様に、「6A」に対する抵抗性を示した。「ミヤギノコムギ」は「6A」および「21B」に対して罹病性を示したが、「1B」に対して抵抗性を示した。他の系統については、3レースに対して抵抗性系統は抵抗性を示し、罹病性系統は罹病性を示した。 (2)さび系14号/ミヤギノコムギ、さび系13号/ミヤギノコムギ、さび保7号/ミヤギノコムギ、RW-12/ミ ヤギノコムギ、さび系20号/農林61号、RW-12/農林61号の6組合せの交配によりF1種子を得た。しかし、赤さび病試験の結果から「さび系20号」は抵抗性を示さなかったため、さび系20号/農林61号の後代は使用しないこととした。さび系14号/ミヤギノコムギ、およびRW-12/農林61号からの2集団を解析に供試することとし、各F2種子を収穫した。また、他の3組合せから得られたF1を現在育成している。 (3)6B染色体ゲノムプロジェクトで使用されたSSRマーカー190個を用いて多型調査を行った。その結果、5マーカーについて多型が確認された。これらについて、6B染色体の染色体欠失系統を使って座乗領域を確認したところ、1マーカーのみ6B染色体長腕末端部の座乗が確認できた。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
実施計画どおりに、材料の準備、抵抗性試験、マップ集団育成のための系統間の交配、多型マーカーの調査を行っている。
|
今後の研究の推進方策 |
さび系14号/ミヤギノコムギ、RW-12/農林61号の交配から得られたF2集団(前者を集団1、後者を集団2とする)を使って、LrRW12のラフマッピングを行う。まず、両方の集団について赤さび病抵抗性試験を行い、マッピングに供試する系統を選定する。次に、集団1では6B染色体の多型マーカーを使ってマッピングを進める。一方、集団2では、6B染色体の多型マーカーに加え、全染色体をカバーするSSRマーカーセット(NBRPにて選定済み)を使ってマッピングを行う(万が一6B染色体に抵抗性遺伝子が無かった場合)。この先に予定しているファインマッピングの足掛かりとなるようなデータを得る。
|
次年度の研究費の使用計画 |
該当なし
|