コムギ系統「RW-12」は国内の赤さび病菌レースに対して明瞭な抵抗性を示すことから、品種育成に幅広く用いられてきた。その抵抗性遺伝子(以下LrRW12)は、野生二粒系コムギに由来し、6B染色体に座乗することが知られるが、LrRW12の詳細は未解明である。本研究では、次世代シーケンス技術やゲノム情報を利用してLrRW12の解析を行った。その結果、LrRW12が6B染色体長腕の末端部に座乗することを明らかにし、近傍領域のゲノム配列を特定した。そのゲノム配列の調査から、ABCトランスポーター遺伝子等の病害抵抗性に関わる遺伝子が複数存在することを明らかにし、赤さび病抵抗性との関連が示唆された。
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