輸入穀物には多種多様な外来雑草の種子が混入しており、穀物貿易は外来植物の主な侵入経路の1つとして認識されている。しかし、その定着や拡散について定量的な評価はなされてこなかった。本研究では、輸入コムギに混入して日本に持ち込まれているイネ科ドクムギ属に着目し、輸入穀物からのこぼれ落ち種子由来と考えられる個体が港でどのように広がっているかについて調査した。SSRマーカーによる解析の結果、輸入穀物由来と考えられるドクムギ属が、穀物陸揚げ場所から2~4km圏内の主要道路沿いに局所的に生育しており、それ以上離れた場所には牧草や栽培品種由来と考えられるドクムギ属が生育していることが明らかとなった。
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