研究課題/領域番号 |
24780014
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
石橋 勇志 九州大学, (連合)農学研究科(研究院), 特任助教 (50611571)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2014-03-31
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キーワード | 発芽 / 活性酸素 / 植物ホルモン / ダイズ |
研究概要 |
日本のダイズ栽培において重要な課題の一つに湿害が挙げられる.ダイズは種子発芽時の湿害によって,発芽不良をおこし苗立ちの確保ができない.ダイズ種子発芽メカニズムはダイズ栽培において重要でありながら,分子生物学的解析を含めた研究報告は少ない.そこで,近年,明らかとなってきた種子発芽と活性酸素の関係について,ダイズ種子発芽における活性酸素の役割について検討した.活性酸素の一種である過酸化水素はダイズの発芽を著しく促進した.一方,抗酸化物質であるN-アセチルシステイン(NAC)はダイズの発芽を著しく抑制した.ダイズ種子発芽における活性酸素の生成は胚軸でのみ確認され,子葉には確認されなかった.NAC処理が胚軸の過酸化水素を抑制することを確認したのち,NAC処理によるエチレン含量を調査した.その結果,NAC処理は発芽後生成されるエチレン含量を著しく抑制した.エチレンはダイズ種子発芽を正に制御することが知られていることから,吸水後,胚軸で生成される活性酸素はエチレンの合成を促し,発芽を制御することが明らかとなった.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
ダイズの種子発芽が活性酸素によって制御されていることを明確にすることができた.また,そのメカニズムについて,活性酸素の生成部位を胚軸部分であることを特定し,さらに植物ホルモンであるエチレンが活性酸素の下流に関与することを明らかにした.生理学的なデータに加え,分子生物学的および形態学的結果も得ることができ,以上の結果を原著論文として報告することができたことからも当研究についておおむね順調に進展していると考える.
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今後の研究の推進方策 |
これまで,種子発芽における活性酸素の役割は主に単子葉類において研究されてきた.しかしながら今年度の研究において,双子葉類であるダイズ種子発芽においても活性酸素が重要な役割を持つことが示された.そのメカニズムとして胚軸で生成された活性酸素は植物ホルモンであるエチレン合成に関わり,ダイズ種子発芽を制御することが示されたが,エチレンの下流で働く因子については未知のままである.次年度はエチレンシグナルに注目して研究することで,活性酸素生成,エチレン合成,エチレンシグナルの流れを調査し,ダイズ種子発芽において活性酸素がどのようなメカニズムで働いているのか明らかとしたい.
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次年度の研究費の使用計画 |
該当なし
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