本研究では、湿害後の過剰活性酸素生成機構をオルガネラレベルで特定することを目的とした。播種後1週間のダイズに1週間の湿害を与え、湿害解除翌日にO2-の発生部位を観察したところ、主根の中央部に染色が観察された。その部分をCeCl3染色により電験レベルで過酸化水素局在を観察したところ、皮層細胞の細胞膜に染色が観察された。生育初期に湿害を与えたダイズの生育を播種後98日目に観察したところ、湿害を受けたダイズは対照区と比較して葉の黄化が早まった。また、生育も著しく低下していた。これらの結果から、ダイズが生育初期に受けた湿害は、湿害直後だけではなく、生育後半の生育にも影響を及ぼすことが明らかとなった。
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