研究課題/領域番号 |
24780020
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研究種目 |
若手研究(B)
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研究機関 | 弘前大学 |
研究代表者 |
松本 和浩 弘前大学, 農学生命科学部, 助教 (60508703)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 果肉着色 / リンゴ / 新品種 / アントシアニン |
研究概要 |
赤い果肉のリンゴ品種には着色機構の異なる2つの系統が存在する。 本実験ではまず、‘紅の夢’および‘御所川原’の2品種の着色機構が異なることを明らかにした。‘御所川原’は幼果期から果肉が着色しており、果実肥大に伴って着色程度は薄まっていった。そして、成熟期に果皮直下のみに着色の向上がみられた。一方、‘紅の夢’は幼果期の果肉に着色はみられず、成熟期に果肉の着色が進行した。 続いて、果肉の着色に及ぼす光の影響を検証したところ、両品種とも光は着色の絶対要因ではなかったが、着色の程度には光の影響がみられた。すなわち、収穫まで光を全く通さない二重袋をかけたまま栽培を行っても、いずれの品種の果肉も着色した。しかし、その程度は無袋栽培に比べて弱かった。また、光の透過率の異なる袋をかけて栽培した結果、両品種とも、光の透過率の上昇に伴って良好な着色がみられる傾向がみられた。 異なる時期に除袋を行い、除袋時期が果肉の着色促進に及ぼす影響を検討した。‘御所川原’では除袋時期は果肉着色に影響しなかった。一方、紅の夢は,収穫前45日~25日に除袋した場合、対照の無体躯に比べ果肉の着色が促進された。 以上の結果から、果肉の着色は果皮の着色機構とは全く異なり、着色に光が必ずしも必要でないことが明らかとなった。しかし、良好な果肉着色を得るためには一定程度の光が必要であることも明らかになった。本結果から果肉の着色の誘導要因は光以外の成熟と低温であると考えられることから、次年度にその検証を行う予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
果肉の着色要因は光ではないことを明らかにできたため。
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今後の研究の推進方策 |
果肉の着色要因が光ではないことを明らかにしたことから、次年度は予定通り低温が果肉着色に及ぼす影響を検証する予定である。
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次年度の研究費の使用計画 |
該当なし
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