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2012 年度 実施状況報告書

菌根菌を活用したツツジ科果樹の低投入環境保全型栽培技術の開発

研究課題

研究課題/領域番号 24780022
研究種目

若手研究(B)

研究機関東京農工大学

研究代表者

伴 琢也  東京農工大学, 農学部, 准教授 (20325046)

研究期間 (年度) 2012-04-01 – 2015-03-31
キーワードエリコイド菌根菌
研究概要

東京都(クロボク土),京都府(灰色低地土),島根県(赤色土および灰色低地土)に栽植のラビットアイブルーベリー品種Tifblueのhair rootに共生する菌根菌叢を調査した.その結果,我が国で栽培されているブルーベリーのhair rootにはエリコイド菌根菌が共生しており,菌叢は産地毎に異なることが示唆された.以上の産地におけるブルーベリーの管理方法(マルチ資材,施肥量他)はほぼ同じであることから,菌叢には環境要因,特に土壌の種類が影響をおよぼすものと考えられる.東京都内で挿し木繁殖したブルーベリーの個体について,hair rootの菌根化率は一年生苗と比較して二年生苗で,さらに同一樹齢では二次根と比較して一次根で高いことが明らかになった.
新潟県,東京都,京都府,島根県に自生するナツハゼを調査対象とし,自生地土壌のpHおよび根の直径分布と菌根化率を調査した.その結果,ナツハゼの自生地土壌のpHは4.4前後であり,1および2次根の直径はそれぞれ40~55μm,60~75μmと,典型的なhair root様の形態を示すことが明らかになった.また,hair rootの菌根化率は1および2次根でほぼ100%と非常に高かった.以上の結果はナツハゼの根系発達特性はブルーベリーのそれと類似していることを示唆するものである.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

平成24年度において,我が国で栽培されているブルーベリーの根系に共生するエリコイド菌根菌の菌叢およびhair rootの菌根化率を明らかにした.各調査地点における土壌の分析が進行中であるが,ほぼ予定通りに調査を実施することができた.また,平成25年度以降に実施予定であった「我が国に自生するツツジ科植物の根系に関する調査」のうち,ナツハゼの根系のサンプリングと調査を平成24年度中に一部実施した.以上の結果から,本研究の現在までの達成度を「おおむね順調に進展している.」と自己評価した.

今後の研究の推進方策

今後は我が国の条件不利地域に自生するツツジ科植物の根系発達特性と根系に共生するエリコイド菌根菌叢を調査し,ツツジ科植物に環境耐性を付与する可能性のある菌類をスクリーニングする予定である.さらにこれらの菌類をブルーベリーをはじめとするツツジ科果樹に接種し,その根系発達特性を画像解析法を用いて調査する予定である.

次年度の研究費の使用計画

育児休業の取得にともない,平成25年度の研究費使用額は0円である((様式F-13-2)産前産後の休暇又は育児休業の取得に伴う補助事業期間延長承認申請書を申請済みである).

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2013 2012

すべて 学会発表 (2件)

  • [学会発表] 我が国においてツツジ科果樹に内生する菌根菌相の解明 (第3報)スノキ属野生種ナツハゼのhair rootにおける菌根化率について2013

    • 著者名/発表者名
      馬場隆士・小川明日香・廣瀬 大・渡辺直明・小林伸雄・倉重祐二・伴 琢也
    • 学会等名
      園芸学会
    • 発表場所
      東京農工大学(東京都)
    • 年月日
      20130323-20130324
  • [学会発表] 我が国においてツツジ科果樹に内生する菌根菌相の解明 (第2報) ブルーベリーの樹齢とhair rootの菌根化率の関係2012

    • 著者名/発表者名
      小川明日香・長谷川莉代・馬場隆士・広瀬 大・佐々木信光・乃万 了・伴 琢也
    • 学会等名
      園芸学会
    • 発表場所
      福井大学(福井県)
    • 年月日
      20120922-20120924

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公開日: 2014-07-24  

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