海岸域の生物多様性に及ぼす自然・人為的条件の影響を明らかにし、その保全に向けた管理手法について検討することを目的として、山陰海岸国立公園とその周辺の海岸域(砂浜・砂丘域)を対象に、植物相、面積等の物理的特性、周辺の土地利用区分、管理・利用状況等を調査した。解析結果から、海岸植物ならびに海岸植生の保全には、(1)空間的に規模の大きい砂浜・砂丘域の保護が第一に重要であり、その縮小や扁平化を避けること、(2)各砂浜・砂丘域において海水浴等に供するエリアを明確に区分し、多様な海岸植物の生育するエリアに立入等の人為攪乱が過度に及ばないよう図ること、が重要であることを示した。
|