リンドウは、室内観賞において花冠が開かなくなることが問題になっている。本研究では、リンドウ花冠の開閉運動メカニズムの解明を目指した。開いた花冠は、25℃から15℃への温度シフトに伴い、30分で急速に閉口した。一方、15℃から25℃への温度上昇により2時間かけてゆっくりと開口した。この花冠開閉反応には、概日リズムや光による影響は受けなかった。分子機構を解明するために、リンドウcDNAライブラリーから15個のアクアポリン遺伝子を単離した。これらのうちPIP2ファミリーに属している遺伝子群が花器官で強く発現していた。しかし、開閉時でリン酸化されたPIP2タンパク質の蓄積量に変化は見られなかった。
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