研究実績の概要 |
多くの寄生性線虫における難培養性はゲノム解析時の大きな障害となっている。1個体からの全ゲノム増幅‐次世代シーケンサーの組み合わせによる解析は、寄生性線虫におけるゲノム研究に大きな進歩をもたらすと期待される。本研究では寄生性線虫における効率の良いゲノム解析を行うための全ゲノム増幅(WGA)-次世代シーケンシング法を開発し、線虫個体間の比較ゲノム解析に用いることで寄生線虫の病原性関連遺伝子の解明を目指す。27年度は、昨年度に引き続き1個体からのWGAシーケンシング法を動物寄生線虫であるStrongyloides ratti, Strongyloides venezuelensis線虫他線虫に適応し、集団における個体の多様性を全ゲノムレベルで検出することを試みた。増幅DNAをNexteraキットを用いてシーケンスライブラリを作成した。次世代シーケンサー(Miseq)で獲得したリードをリファレンスゲノムにマッピングし、SNP、Indelの検出を行った。また核およびミトコンドリアのde novoアセンブリーも行い、ミトコンドリアについては完全ゲノムを再構築することができた。
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