研究課題/領域番号 |
24780052
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研究種目 |
若手研究(B)
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研究機関 | 独立行政法人農業生物資源研究所 |
研究代表者 |
小林 功 独立行政法人農業生物資源研究所, その他部局等, 研究員 (70442829)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | RNAi |
研究概要 |
SID-1を恒常的に発現する細胞株におけるRNAi効果を調べるために、アポトーシス誘導を抑制するタンパク質inhibitor of apoptosis protein (IAP)の発現抑制を試みた。iap遺伝子の2番目のエクソン上の0.9kbのDNA領域をPCRにより増幅しクローニングした。その後、iapに対するdsRNAを作製し、細胞培養液中にdsRNA濃度が1μg/mlになるように添加した。通常の細胞(control cells)では、細胞の形態に変化は見られないが、SID-1恒常発現株(SID-1-expressing cells)では、細胞が凝集したり、細胞形状を維持できなくなった。 カイコ由来のアクチンプロモーターとNPV由来のie1プロモーターを組み合わせることにより、従来のアクチンプロモーターの100倍程度高い活性を持つ人工プロモーターを作製した。このプロモーターによりSID-1を発現するプラスミドを作製した。GAL4-UASシステムの一体化ベクターによるSID-1発現プラスミドを作製した。コドンの最適化により塩基配列を変換したsid-1遺伝子を作製した。これらのベクターを用いて、SID-1を発現する組換えカイコを作出した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
SID-1を発現させるためのin vitro用とin vivo用の発現ベクターを数種類作製した。発現量を向上させるための工夫を組込むことができた。カイコ培養細胞を使ったin vitroでのRNAi実験を遂行するために、SID-1恒常発現細胞において、予備的なRNAi実験を遂行することができたことは高く評価できる。また、予定通り、SID-1を発現する遺伝子組換えカイコを作出することに成功しており、今年度の課題は達成できたと思われる。
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今後の研究の推進方策 |
既に作出しているSID-1発現カイコを用いて、幼虫の体色(真皮細胞における尿酸顆粒の蓄積)に関わる遺伝子群の網羅的RNAi を行なう。
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次年度の研究費の使用計画 |
物品においては、RNAi実験に必要な試薬と消耗品に当てる。成果が出た場合は、学会等などで発表するための旅費に当てる。
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