• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2014 年度 実績報告書

出芽酵母における圧力ストレス適応メカニズムの解明

研究課題

研究課題/領域番号 24780077
研究機関青山学院大学

研究代表者

上村 聡志  青山学院大学, 理工学部, 助教 (10399975)

研究期間 (年度) 2012-04-01 – 2015-03-31
キーワード圧力生物学 / 出芽酵母
研究実績の概要

◯ 高圧増殖におけるEGO複合体の意義
これまでの我々の研究は,EGO複合体の形成がEgo1のゴルジ体から液胞への輸送過程で起こることを示唆してきた.このメカニズムを明らかにするために, Ego1と相互作用するEgo3の1変異導入による機能部位スクリーニングを行った.その結果,Ego3の発現や液胞膜局在に影響を与えずにEGO複合体機能を消失させる変異を発見した.興味深いことに,この変異はEGO複合体の下流に位置するTOR複合体1の液胞膜局在にも影響を与えないことも示唆された.つまり, EGO複合体の下流のTOR複合体1経路以外の未同定の経路も高圧増殖に必須であることが考えられる.
◯ 機能未知遺伝子(YPR153W)の解析
ypr153wΔ株を用いて,挿入変異導入によりその高圧感受性を回復させる変異をスクリーニングした.その結果,液胞分解に関わるESCRT関連分子の変異が,ypr153wΔ株の高圧感受性を回復させることを見出した.つまり,ypr153wΔ株により液胞で分解を受ける特定のタンパク質の不安定化が高圧感受性の原因になっていることが示唆された.さらに,Yeast two hybrid membrane systemによって,Ypr153wと相互作用する分子も複数同定した.これら分子がypr153wΔ株でどのような影響を受けているかを今後調べていく.
◯ 全体を通しての意義
これまで不明な点が多かった,高圧増殖適応メカニズムであるが,本研究により,液胞膜に存在するEGO複合体-TOR複合体1経路が重要な意味を持つことが分かってきた.この経路は哺乳動物でも保存されているため,さらなる発展が見込まれる.また,機能未知遺伝子の解析により,小胞体が関連する高圧増殖適応経路の存在も見えつつある.今後はYpr153wやMtc6の具体的な機能を明らかにすることが望まれる.

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2014

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 謝辞記載あり 1件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] Loss of hydroxyl groups from the ceramide moiety can modify the lateral diffusion of membrane proteins in S. cerevisiae.2014

    • 著者名/発表者名
      Uemura, S., Shishido, F., Tani, M., Mochizuki, T., Abe, F., and Inokuchi, J.
    • 雑誌名

      J. Lipid Res.

      巻: 55 ページ: 1343-1356

    • DOI

      10.1194/jlr.M048637

    • 査読あり / 謝辞記載あり
  • [学会発表] 出芽酵母におけるEGO複合体依存的TOR複合体活性化と高圧増殖2014

    • 著者名/発表者名
      上村聡志,阿部文快
    • 学会等名
      第55回高圧討論会
    • 発表場所
      徳島大学(徳島県・徳島市)
    • 年月日
      2014-11-22 – 2014-11-24
  • [学会発表] EGO complex-Dependent TORC1 Activation is Essential for High-Pressure Growth in Saccharomyces cerevisiae2014

    • 著者名/発表者名
      上村聡志,阿部文快
    • 学会等名
      8th Interantional Conference on High Pressure Bioscience and Biotechnology
    • 発表場所
      Oniris (Nantes, France)
    • 年月日
      2014-07-15 – 2014-07-18

URL: 

公開日: 2016-06-01  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi