A. oryzae由来D-グルコース脱水素酵素(GDH)は,FAD依存的にグルコースをグルコノ-1, 5-ラクトンへと酸化する酵素である.血糖値のモニタリングでよく利用されるD-グルコース酸化酵素(GOX)と異なり,GDHにおける還元型FADは、酸素に対する応答性が低くいため,GDHは血糖センサへの利用が期待されている.同じGMC酸化還元酵素ファミリに属し,29%の配列相同性を示すGDHとGOXにおける酸素に対する応答性の違いやグルコースだけでなくキシロースには弱い反応性を示すGDHの基質特異性が,両者のどのような分子構造の違いに由来するか興味があり,X線結晶学的な手法を用いて研究した.
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