メタボリックシンドロームの発症に関わる内臓脂肪の腸間膜脂肪を小腸側と大腸側に分け、その機能的な違いに着目した研究はこれまでにほとんどない。この部位に差異をもたらす要因を究明するために、網羅的比較解析を実施した。本研究課題では小腸側と大腸側腸間膜脂肪細胞において著しく異なる発現分子の存在を明らかにした。さらに、この発現分子を介した脂肪細胞の生理機能の違いが示唆された。これらの結果は、小腸側と大腸側で腸間膜静脈に吸収される栄養素等の違いが、それぞれの部位によって腸間膜脂肪細胞の機能に影響を与えることを示唆している。
|