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2013 年度 実績報告書

サルモネラのVBNC状態からの蘇生におけるRpfの作用機構

研究課題

研究課題/領域番号 24780119
研究機関帯広畜産大学

研究代表者

楠本 晃子  帯広畜産大学, 動物・食品検査診断センター, 助教 (60535326)

キーワードVBNC
研究概要

食中毒原因来を含めた細菌はストレス下でViable But Non-Culturable (VBNC)状態に陥ることが知られている。VBNC状態の細菌は通常生育しうる培地で増殖せず、しかし、生理活性を維持している。VBNC状態の細菌は病原性を保持し、宿主腸管内などで増殖を再開し、病原性を発現するため、食品衛生上重要な問題である。ゆえに、VBNC状態の細菌の検出法の開発が求められる。しかし、VBNC状態の分子メカニズムに関する知見は乏しい状態である。
VBNC状態の細菌は培地中で増殖できないので、細胞周期があるステップでアレストしている可能性が考えられる。一方、RpfはVBNC状態のサルモネラを蘇生させることから、Rpfが細胞周期にどのように作用しているのか明らかにすることで、VBNC状態の分子メカニズムとRpfの作用機構の解明を目指した。細菌の細胞分裂リング構成タンパク質であるFtsZに着目した。細胞分裂時、FtsZは分裂面にZリングと呼ばれるFtsZからなるリング構造を形成する。分裂後はZリングは脱重合し、次の分裂時には再びFtsZが重合し、Zリングが形成される。抗FtsZ抗体を用いたウェスタンブロットの結果から、VBNC状態と対数増殖期では、細胞内FtsZ量に違いは見られなかった。このことから、VBNC状態ではFtsZの発現が減少するために分裂ができなくなるのではないことが示唆された。
また、ほとんどの食中毒病原体の増殖できるFPE培地のVBNC状態のサルモネラに対する蘇生効果も検証した。FPE培地にVBNC状態のサルモネラを接種し、37℃で7日間培養し、BHI培地でCFUを調べた。定常期のサルモネラは培養後1日でBHI培地で検出されたが、一方、VBNC状態のサルモネラは7日間の培養後でも検出できなかった。このことから、FPE培地単独ではVBNCサルモネラを蘇生させることができないことが分かった。VBNC細菌を検出するには、蘇生因子を添加するなど改良を加える必要があるかもしれない。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2014 2013

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (3件)

  • [雑誌論文] Microbial assessment and prevalence of foodborne pathogens in natural cheeses in Japan2013

    • 著者名/発表者名
      Firew Kassa Esho、Budbazar Enkhtuya、楠本 晃子、川本 恵子
    • 雑誌名

      Biomedical Research International

      巻: Vol. 2013、Article ID 205801

    • DOI

      10.1155/2013/205801

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Deletion in the C-terminal domain of ClpX delayed entry of Salmonella enterica into a viable but non-culturable state2013

    • 著者名/発表者名
      Kusumoto A, Miyashita M, Kawamoto K
    • 雑誌名

      Res Microbiol

      巻: 164 ページ: 335-341

    • DOI

      10.1016/j.resmic.2013.01.011

    • 査読あり
  • [学会発表] Tenacibaculum maritimum の滑走運動の分子メカニズムに関する研究2014

    • 著者名/発表者名
      楠本晃子、内田大介、川本恵子
    • 学会等名
      平成26年度日本魚病学会春季大会
    • 発表場所
      函館国際ホテル(北海道函館市)
    • 年月日
      20140330-20140331
  • [学会発表] 魚病細菌Tenacibaculum maritimumの滑走運動はプロテアーゼ分泌に関与する2014

    • 著者名/発表者名
      楠本晃子, 川本恵子
    • 学会等名
      第87回日本細菌学会総会
    • 発表場所
      船堀タワーホール(東京都江戸川区)
    • 年月日
      20140326-20140328
  • [学会発表] 魚病細菌Tenacibaculum maritimumの滑走運動の動力源の同定2013

    • 著者名/発表者名
      楠本晃子、内田大介、川本恵子
    • 学会等名
      第80回日本細菌学会北海道支部総会
    • 発表場所
      東京農業大学(北海道網走市)
    • 年月日
      20130830-20130831

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公開日: 2015-05-28  

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