本研究は「食品成分であるカフェオイルキナ酸の学習・記憶障害抑制に関する有効性を解明し、食品成分によるアルツハイマー型認知症予防の可能性の提案」を目的とし、アルツハイマー症の細胞(in vitro)モデルと動物(in vivo)モデルを用いてその作用メカニズムを明らかにする。 平成25年度では、アルツハイマー症モデルマウスである老化促進促進マウス(Senescence-Accelerated Mouse-Prone 8: SAM-P8)にCQAを経口投与し、下記の実験を実施する予定であった。 ①老化促進マウスの海馬におけるNMDA受容体の発現及び局在に及ぼすCQAの影響、②プロテオミクスやマイクロアレイ手法による作用機序の解明、③CQAの安全性 しかし、平成24年度に行ったアルツハイマー症の細胞(in vitro)モデル実験においてNMDA受容体関連遺伝子の発現がCQA処理により、有意な変化が無かったことからアルツハイマー症の重要な因子であるApolipoprotein E4(ApoE4)を本研究のターゲット因子として、CQAを経口投与したSAM-P8マウスの脳における局在を調べた。さらに、脳において学習・記憶の改善能に深く関与するグリア細胞であるアストロサイトのApoE4の発現(分泌)に及ぼすCQAの影響をELISA手法にて明らかにした。
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