本研究では先ず各種成分がクッキー生地中での澱粉の融点に及ぼす影響を調べ,焼成過程における澱粉の融解を回避するための予備乾燥および焼成条件を最適化した.次に予備乾燥クッキーの物理的並びに生化学的特性を調べ,予備乾燥クッキー生地は従来よりも低温で焼成することで,通常のクッキーと殆ど同じ品質のクッキーになること,このクッキーは通常のクッキーよりも澱粉の酵素消化性およびマウスにおける血糖値ピークが低いことを明らかにした.また,クッキーの食感はガラス転移温度に基づき制御できることを示した.最後に実用的視点から昇温焼成を設計し,これによって予備乾燥クッキーと同様のクッキーが得られることを確認した.
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