本研究では、相乗的血管弛緩作用の発現を可能とする食品成分混合系を明らかにすることを目的とした。まず、動脈硬化予防ペプチドTrp-Hisと血管弛緩性ポリフェノールであるEGCgによる相乗的血管弛緩作用には、血管内皮依存的なNO産生系シグナルが重要であることを明らかとした。さらに、炎症血管においては、Trp-His/EGCgの血管弛緩作用が減弱すること、及びフェルラ酸の添加によりその減弱が回復することを明らかとした。その回復機構には、TNF-α炎症刺激により減弱したアルギニノコハク酸合成酵素の発現回復が重要であることを明らかにした。
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