研究課題/領域番号 |
24780136
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研究機関 | 八戸工業高等専門学校 |
研究代表者 |
山本 歩 八戸工業高等専門学校, その他部局等, 助教 (60523800)
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キーワード | ゲノムディフェンダー / DNA損傷 / 染色体異常 / 突然変異 / 機能性食品 / 抗変異原 |
研究概要 |
研究は出芽酵母とヒト培養細胞などを用いてゲノムディフェンダー(ゲノム情報防御物質)として機能する新規機能性食品を開発することを目的とし、そのための新規食品の探索ならびのその防御機構の解明を行うものである。従って、本研究はゲノム情報を防御することでヘルスケアを行う仕組み(ゲノムディフェンスヘルスケア)を構築するための基盤として位置づけられるものである。 平成25年度は「ヒト培養細胞を利用し、化学物質誘発DNA損傷・染色体異常・突然変異に対するゲノムディフェンダーの効果の評価ならびに防御機構の解明」と「ヒト培養細胞を利用した放射線障害に対するゲノムディフェンダーの抑制効果の検討」を実施した。特に青森県産カシスの機能性に着目して研究に取り組み、その結果、過酸化水素によって生じるDNA損傷や染色体異常に対するカシス抽出物のゲノムディフェンダー活性が細胞内活性酸素を大きく抑制することに起因していることを明らかにした。また、放射線照射によって生じる染色体異常・遺伝子突然変異に対しても青森県産カシスが有効性を示すことを明らかにし、その効果においても放射線照射によって生じる細胞内活性酸素の抑制効果が関与していることが示唆された。今後は、カシスが有しているこのようなゲノムディフェンダー活性が生体レベルで確認されるかどうか、マウスなどの動物を用いてin vivo試験により確認し、その有効性を明らかにしていくところである。また、平成24年度に取り組んでいた菊花抽出物、センキュウ葉抽出物および発酵ホタテエキスに関する機能性評価やI-SceI認識配列導入ヒト細胞株の作製についても引き続き実施していく。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成25年度研究の進捗状況は当初計画と比較し、概ね順調に進展しているものと考えられる。その理由として、 1.ヒト培養細胞を用いて青森県産カシスが有する過酸化水素に対するゲノムディフェンダー活性のメカニズムを明らかにした(論文公開済み)。 2.放射線防護におけるゲノムディフェンダーの可能性について青森県産カシスを用いて検討し、その有用性を明らかにした(論文執筆中)。 3.当初の研究計画にはない、より発展的な研究であるマウスを用いたin vivo動物実験に向けた準備をスタートしており、平成26年度には実施できる目途を付けている。 などが挙げられる。当初の研究計画だけでなく、今後の発展的な研究にも着手していることから「おおむね順調に進展している」と判断する。
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今後の研究の推進方策 |
平成26年度の研究計画では「平成25年度の実施計画を継続し、出芽酵母およびヒト培養細胞を用いたゲノムディフェンダー食品の探索・機能性解析を行う」ならびに「放射線障害に対するゲノムディフェンダーによる防護の検討」を実施することとしていた。しかしながら、平成25年度の研究で青森県産カシスのゲノムディフェンダー活性に対する研究では放射線障害に対する有効性の可能性を明らかにするという興味深い結果が得られている条項であることから(本研究成果については現在論文執筆中)、青森県産カシスについては次期プロジェクトで実施予定であった「マウスを用いたin vivo試験による効果の検討」に前倒しで取り組んでいきたいと考えている。更に、青森県産カシスの放射線防護効果についてはより詳細なメカニズムや活性等について検討していく。また、菊花抽出物に関してはこれまで取り組んできた品種(阿房宮)だけでなくその他の品種についても研究を進めていくとともに、それ以外の農水産食品に関しても並行して機能性を明らかにしていき、研究プロジェクトの全体の総括を行う予定である。
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次年度の研究費の使用計画 |
平成26年3月(平成25年度)に実施予定であった動物実験関連の物品購入手続きに遅れが生じ、平成26年4月に購入することとなったため。 研究に使用する各種消耗品を購入する予定。
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