本研究は出芽酵母やヒト培養細胞、マウスなどを用いてゲノムディフェンダー(ゲノム情報防御物質)として機能する新規機能性食品を開発することを目的とし、そのための新規食品の探索ならびにゲノムディフェンダー活性評価および防御機構の解明を行うものである。従って、本研究はゲノム情報を防御することで日常的に疾病予防を行う仕組み(ゲノムディフェンスヘルスケア)を構築するための基盤研究として位置づけられるものである。平成24年度から平成26年度にかけて、申請者は青森県産カシスのゲノムディフェンダー活性の解析を中心に菊花抽出物やセンキュウ葉抽出物などで種々の成果を得た。例えば、カシスについては出芽酵母試験系を用いることで活性酸素やアルキル化剤、紫外線に対して効果を有していることを明らかにし、その発展的研究としてヒト培養細胞での活性酸素や放射線に対する防御効果を確認した。更に、現在、マウスを用いたin vivo試験によりその機能性の評価を実施しており、有望な結果が得られつつある状況である(なお、これまでにカシスについては2報の論文を公表するなどの成果をあげている)。 今後、カシスのin vivoでの活性評価を継続するとともに、菊花抽出物のヒト細胞等での機能性や新規ゲノムディフェンダー食品の探索に取り組み、将来的な日常的なヘルスケアシステムの構築につなげていきたいと考える。
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