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2013 年度 実績報告書

エステル化に基づいたMCPDおよびグリシドールの同時定量法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 24780140
研究機関地方独立行政法人大阪市立工業研究所

研究代表者

佐藤 博文  地方独立行政法人大阪市立工業研究所, 生物・生活材料研究部, 研究員 (70443546)

キーワードモノクロロプロパンジオール / グリシドール / 定量 / DGF公定法 / 油脂加工品 / 2-MCPD
研究概要

本研究は油脂加工品中の健康懸念物質であるモノクロロプロパンジオール類(2-MCPDと3-MCPD)とグリシドールの定量法を開発することを目的としている。このためにはそれぞれの純物質を標品として必要とするが、研究開始当初、2-MCPDは市販されておらず、その合成法も確立されていなかった。本研究ではエピクロロヒドリンを出発原料として1,3-ベンジルエーテル化、2-クロロ化、1,3-脱ベンジルエーテルの3ステップで10グラムスケールの2-MCPDを合成する手法を開発した。
これまで油脂中の3-MCPD量はドイツ公定法(DGF standard methods C-VI 18(10))のassay Aによって、グリシドール量はassay Bによって定量することができるとされていたが、我々は公定法中の化合物変換をNMRにより直接観測することで3-MCPDとグリシドールから5%程度の2-MCPDが生成することを明らかとし、この定量法が2-MCPDの生成を無視しているという問題点を明らかとした。さらに油脂中には初めから微量ながら2-MCPDが存在することを明らかとし、さらにこの2-MCPDも公定法処理中に一部が3-MCPDに変換されることを明らかとした。ただし、これらの変換は実際の定量に影響を及ぼさない程度である。
さらに、本研究では実際の油脂に既知量のグリシジル脂肪酸エステルを添加することにより、公定法処理で2-MCPDおよび3-MCPDに変換する量を定量した。その結果、油脂の脂肪酸種にかかわらず95%程度の3-MCPDと5%程度の2-MCPDに変換されることが明らかとなった。すなわちグリシジルエステルを多く含む油脂はMCPDを多量に生成するため誤定量の原因となりやすいことがわかった。

  • 研究成果

    (7件)

すべて 2013 その他

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (5件)

  • [雑誌論文] 2-Monochloro-1,3-propanediol (2-MCPD) Dynamics in DGF Standard Methods and Quantification of 2-MCPD2013

    • 著者名/発表者名
      Hirofumi Sato, Naki Kaze, Hiroshi Yamamoto, Yomi Watanabe
    • 雑誌名

      Journal of American Oil Chemists' Society

      巻: 90 ページ: 1121-1130

    • DOI

      10.1007/s1 1746-013-2264-6

    • 査読あり
  • [雑誌論文] A Chemical Approach to Searching for Bioactive Ingredients in Cigarette Smoke2013

    • 著者名/発表者名
      Yuta Takahashi, Shizuyo Horiyama, Chie Honda, Kiyoko Suwa, Kazuki Nakamura, Masaru Kunitomo, Shuichi Shimma, Michisato Toyoda, Hirofumi Sato, Motohiro Shizuma, Mitsuo Takayama
    • 雑誌名

      Chemical and Pharmaceutical Bulletin

      巻: 61 ページ: 85-89

    • DOI

      10.1248/cpb.c12-00539

    • 査読あり
  • [学会発表] DART-MSを用いた脂質・脂質誘導体の分析2013

    • 著者名/発表者名
      佐藤博文、渡辺嘉、渡辺淳、松本恵子、塩田晃久、戸田晋吾
    • 学会等名
      日本油化学会第52回年会
    • 発表場所
      東北大学
    • 年月日
      2013-09-11
  • [学会発表] MCPD/グリシドール低減のための油脂脱臭行程前処理法およびブタ膵臓リパーゼの2-MCPDエステル分解能

    • 著者名/発表者名
      風直樹、渡辺嘉、佐藤博文、山本浩志
    • 学会等名
      日本油化学会第52回年会
    • 発表場所
      東北大学
  • [学会発表] 固相担体を用いたエチレンオキシド鎖を親水部に有するノニオン界面活性剤の鎖長制御合成

    • 著者名/発表者名
      稲本正、小野大助、靜間基博、川野真太郎、川崎英也、荒川隆一、佐藤博文
    • 学会等名
      日本油化学会第52回年会
    • 発表場所
      東北大学
  • [学会発表] 中小路崇、靜間基博、三宅弘之、川崎英也、小野大助、荒川隆一、築部浩、佐藤博文

    • 著者名/発表者名
      光学活性四座配位子-銅錯体によるアミノ酸に対するキラル認識挙動
    • 学会等名
      第10回ホスト‐ゲスト化学シンポジウム
    • 発表場所
      和歌山大学
  • [学会発表] Interconversion between monochloropropanediol and glycidol in the course of DGF standard method C-VI 18 (10)

    • 著者名/発表者名
      Hirofumi Sato, Naoki Kaze, Hiroshi Yamamoto, Daisuke Ono, Motohiro Shizuma, Yomi Watanabe
    • 学会等名
      104th AOCS Annual Meeting and Expo
    • 発表場所
      Palais des congres de Montreal, Canada

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公開日: 2015-05-28  

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