大規模崩壊地はその形成後も,岩盤の風化や拡大崩壊により長期間土砂を生産し続け,流域の中での主要な土砂供給源となる。そこで大規模崩壊地を対象に,土砂生産のタイミングと土砂生産量の空間分布を,現地調査やGIS(地理情報システム)による解析によって調べた。その結果,大規模崩壊地からの土砂生産は,風化等の定常的な現象や,崩壊地内の二次的な拡大崩壊のような突発的な現象を含む,複数の現象からなることをが明らかになった。また,それらの現象には,地層構造が大きく関係していることを明らかにした。「岩盤平行後退モデル」および「多層構造を有する斜面における斜面安定モデル」により,土砂生産プロセスの説明を行った。
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