トガサワラは、紀伊半島と四国東部にのみ確認されている固有種である。トガサワラの現存する個体数は約1,000 個体と推定されており、絶滅危惧II 類(VU)に指定されている。申請者は、樹木の生育に必要不可欠である外生菌根菌を4つのトガサワラ林で調べ、Cenococcum geophilumやベニタケ科やイグチ科フウセンタケ科などが高頻度で検出されたことを明らかにした。また、高知県と紀伊半島の4つのトガサワラ林分全体で344種の外生菌根菌が存在し、トガサワラだけでも218種以上の外生菌根菌が共生していると推定した。
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