林冠の生物多様性機構を明らかにするために、樹上に存在するパッチ状資源(樹洞リター、樹洞水溜まり、枯死材、樹上付着リターなど)に着目し、それらに生息する無脊椎動物群集を調査した。本研究の結果は、1)無脊椎動物(クモ、トビムシ)の群集構造は森林の層間で異なること、2)パッチ状資源(樹洞リター、樹洞水溜まり)のサイズおよび形状は枯死有機物や水の流入資源量を変化させ、結果として群集を変化させること、3)資源のサイズ(枯死材の直径)の多様さが動物種のニッチ分割をもたらし、結果として定着者の種多様性をもたらすこと、を明らかにした。
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