研究課題
種苗生産において重要な病害を引き起こす植物病原菌の発生状況調査を東北、関東、中部地方、沖縄で行うと共に、保有する東北地方の樹木病害標本を利用し、その病原菌について樹病学的検討および菌類の分類学的視点から研究を実施した。本年度は、1945年以前にわが国の植物病理学者が滞在し、多くの樹木病害を記録、新種として報告している台湾に渡航し現地の植物病害標本のリスト作りと基準標本の確認、代替標本の再採集を現地の研究者と共同して実施した。これらの成果は世界的に著名な研究者と共に分類学的検討を行い国際誌3報に掲載され、更に期間終了後(4月)に1報掲載された。また内1報と現在投稿中の1報については国内の種苗会社および地方行政組織との共同研究成果である。また口頭発表については国際学会(国際菌学会議、国際キウイフルーツ病害研究会)、国内学会(日本菌学会、日本植物病理学会)において共同発表を行いその公表に努めた。論文としての公表に至らなかったが、注目すべき事象としては東北地方の苗木生産・育種現場のみならず造林地において葉枯れと先枯れによる樹木の衰弱と積雪量の増大と雪の被覆期間の長期化によるストレスによると思われる被害が多く見られたことから、今後も継続した発生状況の調査が必要であることを確認した。また、熱帯の防風林として広く植栽されている固有樹種にも重大な被害を引きおこす葉枯性病害を見いだした。近年にあっては資源植物としての利用も検討されており、またアジア・太平洋地域での協力事業においても重要な樹種であることから、やはり継続した研究が必要であろう。
すべて 2015 2014
すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 4件、 オープンアクセス 3件、 謝辞記載あり 2件) 学会発表 (5件) (うち招待講演 1件)
IMA Fungus
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