乾燥ストレス条件下で生育する植物の生存戦略と共生微生物との関係に関する知見を得るため、雨季および乾季の植物生理と植物根内微生物に関する調査を行った。また、乾季の水供給後の植物生理と土壌微生物に関する調査を行った。乾季の水供給後に微生物活性は著しく増加し、窒素固定や硝化に関わる微生物が増加した。土壌中の純硝化速度や純窒素無機化速度は水添加によって増加したが、Larrea tridentataの樹冠下ではアンモニア態窒素濃度は減少しており、これは植物の吸収によると考えられた。このことは夏の降雨は乾燥地で生育する植物にとって、水のみならず、窒素の供給にも重要なイベントであることを示唆している。
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