スギとヒノキの人工林を対象として,過密林分における樹幹表面積と林分密度との関係について解析した。地域や樹種の違いに関係なく,過密林分における平均樹幹表面積は林分密度の逆数に比例することがわかった。このことは,単位面積あたり樹幹表面積合計が林分密度によらず一定となることを意味する。このような面積保存則を「樹幹表面積一定の法則」と名付けた。 樹木の場合,樹幹の内部は死細胞によって構成されており,生活細胞は樹幹表面付近にのみ存在するため,樹幹表面積と生活細胞との間には比例関係が予想される。このことより,上述した樹幹表面積一定の法則は「生活細胞一定の法則」の成立を示唆している。
|