研究課題
若手研究(B)
スギ根系の育種改良の基礎的知見を得ることを目的として、さし木クローンの苗木と成木をセットで用い、遺伝的な違いに注目して根系構造および成長動態を解析した。その結果、根系形質は用土の理化学的性質、さし穂の葉量等の環境条件に影響を受けること、環境条件の影響を除去しても幅広いクローン間変異があること、根系形質間に幼老相関があることが示された。さらに、地上部成長に優れるクローンに共通する苗木の形質として細根量が多くかつTR比が高いという特徴が認められた。これらの結果から、比較的少ない資源量で多量の細根を発達させることが地上部を成長させる一因であり、この形質はさし木苗の段階で推定できると考えられる。
林木育種