落葉林の季節的な空間構造の変化は、ニホンイヌワシの採餌環境選択に影響する。そこで本研究は、展葉前後におけるニホンイヌワシの採餌環境特性を航空レーザー測量によって評価すると共に、行動圏内の潜在的な採餌場所を明らかにした。展葉前は、ニホンイヌワシの採餌環境は積雪した大きな林冠ギャップであり、それらは行動圏内に広く分布していた。一方、展葉後の採餌環境は、サイズや形状の値が大きい林冠ギャップとなり、結果として、潜在的な採餌場所は著しく減少した。以上より、ニホンイヌワシが周年、餌を採餌するには、サイズや形状の値が大きい林冠ギャップを維持すると共に、それらを植林地に人為創出することが必要と考えられた。
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