製紙汚泥であるペーパースラッジ(PS)は、焼却処理されるため、二酸化炭素の排出量や焼却灰の過多が問題となっている。そこでPSの有効利用法として、PSからのエタノール生産について検討した。まずPSの成分分析により、PSの組成を確認した。次にPSから効率よく発酵糖を生成できる最適酵素カクテル剤を検討した。また、PSからのエタノール生産に適した糸状菌を選択した。さらに、NaOHおよびHClへの浸漬により無機物および有機物を削減することに成功した。以上の検討をふまえ、100 g/LのNaOH-HCl処理PSの同時糖化発酵によるエタノール生産を行った結果、21.3 g/Lのエタノールを生産できた。
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