林地残材等の未利用木質バイオマスの有効利用法の一つに木材-プラスチック複合材料(WPC)がある。WPCの主用途はエクステリア材料であるが、衝撃強度が低いことに加え、長期利用による耐候性の低下等が問題となっている。これらの解決のためには親水性の木粉と疎水性のプラスチックの界面の相溶性を向上させることが有効である。本研究では、木材の加溶媒分解反応により親水鎖または疎水鎖を持つ木材由来の相溶化剤の調製し、これによる耐衝撃性,耐候性の向上を目的として検討を行った。力学物性試験および促進耐候性試験の結果、疎水鎖を持つ加溶媒分解生成物の添加によりWPCの衝撃強度、耐候性が向上することを明らかにした。
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