研究課題
ヒラメやカレイの仲間は異体類と呼ばれ、成魚では左右両眼が体の右または左側面にあるのが特徴的である。しかし胚期には一般的な魚と同様に左右対称な体制で発生し、変態期に片側の眼が反対側に移動し、左右非対称な色素胞分化を経て成体の体制となる。ヒラメやホシガレイなど水産上重要な魚種は種苗生産が行われているが、人工飼育下では眼の移動や色素胞分化に異常をきたす個体の出現が問題となっており、防除策を講じることが求められている。本研究では有眼側と無眼側で発現の異なる遺伝子を解析することにより、変態の分子基盤を解明することを目的とした。当初は、ハイブリダイゼーションに基づくサブトラクション法により左右非対称な遺伝子を単離することを計画していたが、理化学研究所オミックスセンターの東北復興支援プロジェクトにより、次世代シーケンサーによるRNA seq解析を実施する機会を得た。この方法はサブトラクション法よりも網羅的であり、発現強度を数値化して評価することが可能である。次世代シーケンサーHiSeq2000により、100 bpペアエンド、4億2千万の配列情報を得ることができた。同復興支援プロジェクトによりサポートいただいたCLC Genomics Workbenchによりde novoアッセンブルを行って参照配列とし、左右のサンプルをマッピングして有眼側と無眼側で発現強度の異なる遺伝子をリストアップした。in situ hybridizationにより、変態期ヒラメの組織における発現を検定しているが、gchなどこれまでに色素胞分化への関与が指摘されていた遺伝子の他、機能未知の配列も単離されており、今度さらに詳細に解析することにより、異体類の変態に関与する遺伝子の全体像に迫れるのではないかと期待される。
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