漁業者と仲買業者の関係について、カンボジア、タイ、フィリピンの3地域を事例に、漁業者と仲買業者への聞き取り調査を実施した。漁業者と仲買業者の関係は、漁業者の利用する資源、漁業形態、仲買業者の保管方法、転売地へのアクセス、地域内の仲買業者の軒数などによって、仲買業者の漁業者に対する優位性が異なった。また、その関わりは漁獲物の売買のみ、金銭の貸付、漁具や燃油の売掛、冠婚葬祭など漁業以外の生活に関連する金銭の貸付と多様な形態が確認された。特にカンボジアにおいては、仲買業者が搾取的とは言えなかったことから、定量的なデータ収集やサイズ規制など仲買業者の資源管理方策への参加の可能性が示唆された。
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