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2012 年度 実施状況報告書

魚の肉質低下に伴うタンパク質分解機構の解明―プロテオミクスと免疫細胞化学的研究―

研究課題

研究課題/領域番号 24780203
研究種目

若手研究(B)

研究機関長崎大学

研究代表者

吉田 朝美  長崎大学, 水産・環境科学総合研究科, 助教 (80589870)

研究期間 (年度) 2012-04-01 – 2015-03-31
キーワードプロテアーゼ / 魚肉軟化 / 免疫電子顕微鏡法 / プロテオーム解析
研究概要

本研究では、食品化学的観点から研究の進展が望まれている魚筋肉自己消化機構の解明のために、魚体の冷蔵保存に伴う筋細胞内微細構造の崩壊を電子顕微鏡法により形態学的に明らかにすると共に、プロテオミクス技術を用いて冷蔵保存に伴い崩壊する筋細胞構成タンパク質を同定することを目的とする。さらに、筋細胞構成タンパク質分解に関与する内在性プロテアーゼの動態を免疫細胞化学的アプローチ(免疫電子顕微鏡法)により解明することを目指す。
当該年度では、免疫電子顕微鏡法に用いるための魚類特有プロテアーゼに対する特異抗体の作製、作製した抗プロテアーゼ特異抗体の試料魚に対する免疫交叉性の検討を目標として取り組んだ。その結果として、まず、魚類特有の筋原線維結合型セリンプロテアーゼ(MBSP)及びトリプシン型セリンプロテアーゼ(G1)mRNAの全塩基配列を決定し、各々242アミノ酸と633アミノ酸に相当するORFを確認した。さらに、両者の成熟型酵素のヒスチジンタグ融合タンパク質発現ベクターの作製に成功した。次に、成熟型MBSPのヒスチジンタグ融合タンパク質の発現実験を試みたところ、発現タンパク質が封入体を形成したため変性剤を用いて可溶化し、ヒスチジンタグ融合成熟型MBSPを単離精製することができた。しかし、特異抗体を作製するために充分な量のヒスチジンタグ融合成熟型MBSPを得るまでには至らなかったため、今後スケールアップしてより多くの発現タンパク質を得る必要がある。また、G1についても、同様に発現実験を進めているところである。次年度の初めには、各々の特異抗体作製に着手できる見込みである。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

魚類特有プロテアーゼに対する特異抗体の作製までには至らなかったものの、その遺伝子の解析、並びに大量発現系の構築についてはおおむね順調に進展している。

今後の研究の推進方策

今後は、魚類特有プロテアーゼに対する特異抗体の作製に着手するとともに、冷蔵保存中の魚肉軟化に伴う筋肉構成タンパク質の変化をプロテオーム解析することに重点を置きたい。

次年度の研究費の使用計画

当該年度の研究費は適正に使用したが、若干の余剰分が次年度に繰り越された。次年度の研究費については、概ね請求どおりに使用予定である。

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公開日: 2014-07-24  

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