本研究では、魚類の保存に伴う筋肉軟化現象の解明に寄与し得る基礎的知見が得られた。プロテオーム解析より、マダイ筋肉軟化に伴うミオシン重鎖の分解及び可溶化、トロポミオシンの分解が認められ、分解産物も多数検出された。更に、個々のタンパク質の分解に関与するプロテアーゼ(タンパク質分解酵素)の特定を試みた。結果、ミオシン重鎖、トロポミオシンの分解には内在性セリン並びにメタロプロテアーゼが、α-アクチニンの分解にはシステインプロテアーゼが主に関与すると示唆された。また、各内在性プロテアーゼの構造・機能について調べ、抗体を作製・選定した。現在、免疫染色法により各プロテアーゼの局在変化を解析中である。
|