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2013 年度 実施状況報告書

魚類における複合糖鎖および関連酵素の生理機能解析

研究課題

研究課題/領域番号 24780204
研究機関鹿児島大学

研究代表者

塩崎 一弘  鹿児島大学, 水産学部, 助教 (70390896)

キーワードシアリダーゼ / 複合糖質 / メダカ
研究概要

平成24年度に新規メダカシアリダーゼneu4のクローニングに成功していたが、その酵素学的性状や機能についてはわかっていなかった。そこで平成25年度ではneu4の組み換えタンパク質を作製し、その酵素学的性状解析を行った。
その結果、酵素活性の至適pHを4.7とする点はヒトNEU4と同じであったが、基質特異性(シアリルオリゴ糖を良い基質とする一方で糖脂質には作用しない)はヒトNEU4と大きく異なっていることが明らかとなった。さらに既に報告されているゼブラフィッシュneu4と比較したところ、魚種間においてもその酵素学的性状が一様では無いことがわかった。これらの結果から、先に報告したメダカシアリダーゼneu3aとは異なり、neu4は各動物間で独自に進化した機能の異なる糖鎖分解酵素であることが強く示唆された。
またその細胞内局在を解析したところ、そのほとんどがリソソームにあることが明らかとなった。リソソームには別のシアリダーゼであるneu1の存在が予想されることから、メダカでは2種のシアリダーゼにより、リソソームにおける異化分解が制御されていることが示唆された。
また、neu4は中性pHでもその活性を維持していたことから、その意義について検討したところ、10%以下のわずかなポピュレーションのneu4が細胞膜にも局在していることが免疫染色法により明らかとなった。さらにneu4はTritonx-100には難溶である事も判明した。これらの性状はヒトNEU1と非常に類似しており、今後のメダカneu4の生理機能解析の参考になると考えられた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

メダカにおけるすべてのシアリダーゼ遺伝子のクローニングを終了しており、その酵素学的性状解析についてもneu1を除いてほぼ明らかにした。遺伝子組み換え細胞を用いたシアリダーゼの生理機能解析の関するデータも集まってきており、遺伝子組み換えメダカを作製するために必要なin vitroでのデータも十分である。

今後の研究の推進方策

申請書に記載したように、今年度以降は遺伝子組み換えメダカを作製しその解析により魚類シアリダーゼの生理機能を明らかにしていく予定である。具体的にはシアリダーゼの遺伝子上流部分にGFPベクターをつないだプロモーターアッセイ、およびモルフォリノを用いたノックダウンの実験である。研究進行にあたり重要になるのは、複数存在するシアリダーゼのうち、どのシアリダーゼをターゲットにして組み換えメダカを作製するかということである。ノックアウトマウスのフェノタイプから予想されるように、場合によってはダブル、トリプルノックダウンを作製する必要が考えられる。またTALENなどによるノックアウト動物の作製も視野に入れている。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2014 2013

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 謝辞記載あり 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Molecular cloning and biochemical characterization of medaka (Oryzias latipes) lysosomal neu4 sialidase2014

    • 著者名/発表者名
      Shiozaki, K., Ryuzono, S., Matsushita, N., Ikeda, A., Takeshita, K., Chigwechokha, P., Komatsu, M., Miyagi, T.,
    • 雑誌名

      Fish Physiol Biochem

      巻: 40 ページ: 1461-1472

    • DOI

      10.1007/s10695-014-9940-9

    • 査読あり / 謝辞記載あり
  • [学会発表] メダカシアリダーゼneu4の遺伝子クローニングおよび胚発生における発現解析2013

    • 著者名/発表者名
      塩崎一弘、龍薗せな、池田麻美、原崎裕介、福田みどり、小松正治、宮城妙子
    • 学会等名
      第32回日本糖質学会年会
    • 発表場所
      大阪(大阪国際交流センター )
    • 年月日
      20130806-20130806

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公開日: 2015-05-28  

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