研究課題/領域番号 |
24780208
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研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
古澤 慎一 新潟大学, 自然科学系, 助教 (40588315)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 社会的企業 / 組織間ネットワーク / 協働 / 中間支援組織 / 重層的ガバナンス / 土地改良区 / 地域公共財 / 農業・農村 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、農村開発モデルの比較実証分析を通じて、社会的イノベーション誘発型の農業・農村開発のための課題を明らかにすることである。主な研究課題は、農村における資源管理や経済の多角化に資する政策の分析、農村における社会的企業の経営戦略の特質とイノベーション活動促進の要因分析、そしてそれらを支えるガバナンスの解明である。今年度の主な研究内容と実績の概要は以下の通りである。なお、当初の計画では、本年度が最終年度であったが、諸事情により事業期間の延長を行った。
1.二次データを利用し、社会的企業における経済・協働ネットワークの形成が組織の認知過程を通じて、経営のパフォーマンス及び地域経済に与える影響の調査・分析を行った。具体的には、国内外の中間支援組織及び農村社会的企業の代表者へのヒアリング調査を通じて基礎的資料の収集と実態把握を行うとともに、既存調査データの共分散構造分析を通じて定量的分析を行った。国外調査については、同時期に開催された関連分野の国際学会への参加も兼ねた日程を組み、予備的分析結果の発表を行うとともに情報交換を行った。 また、分析結果を踏まえて当初の仮説を修正するとともに、調査票の再設計を行い、年度末に事業所向け(農業・農村企業及び地域中小企業)のアンケート調査を企画・実施した(2015年1月~4月)。
2.農村における地域共有資源に関する中間支援組織としての土地改良区の機能に着目し、農業・農村地域における公共財の持続的供給について重層的ガバナンスの観点から調査・分析を行った。具体的には、行政機関および土地改良区へのヒアリング調査を実施するとともに、財務報告資料の収集・分析を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
今年度中に農村における社会的企業の定量的調査を行い、その結果を関連学会において発表する予定であったが、既存調査データの二次分析から得られた結果(学会発表済み)が、当初の調査枠組みと仮説の変更を必要とする内容であったため、計画の遅れが生じた。
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今後の研究の推進方策 |
基本的枠組みは、当初の研究計画に沿って進める予定であるが、定量的調査データの整理・分析と成果発表(国内外の関連学会)を行うとともに、補足調査を行い、論文投稿を行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
平成26年度に、農村における社会的企業の定量的調査を行い、その結果を関連学会において発表する予定であったが、既存調査データの二次分析から得られた結果(学会発表済み)が、当初の調査枠組みと仮説の変更を必要とする内容であったため、計画を変更した。その結果、調査実施・分析の時期が遅れてしまった。
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次年度使用額の使用計画 |
定量的調査に係る経費、成果発表のための国内外の関連学会への参加費・論文投稿費、補足調査・研究全体のまとめのための費用に使用する計画である。
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