研究課題/領域番号 |
24780214
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研究機関 | 東京農業大学 |
研究代表者 |
竹内 重吉 東京農業大学, 国際食料情報学部, 助教 (60595685)
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キーワード | 持続的地域農業システム / 個別農家 / 合理的行動選択 / 地域農業計画 / 数理計画法 / 協力ゲーム理論 / 収益分配 |
研究概要 |
本研究では,①安全な食料の安定的供給,②環境に配慮した農業生産活動の推進,③資源の合理的活用を考慮し,地域経済社会の持続的発展を可能とするシステムの確立に向けて分析を行うことを目的としている。この目的を達成するための研究計画は次の通りである。まず分析Iとして,地域全体を対象とした持続的地域農業システムを構築し,システムの経済性や環境保全効果などを定量的に明らかにする。次に分析IIとして,個別農家レベルの合理的行動選択に関する分析を行い,システムへの参加が個別農家の経営へ及ぼす影響とシステムへの参加促進方策を検討する。最後に分析IIIとして,地域全体として最適なシステムと個々の農家レベルにおける合理的行動選択との整合性を検討し,双方の視点から持続的地域農業システムの確立に向けた方策を提案する。 平成25年度は上記の「環境に配慮した農業生産活動の推進」という視点から,分析Iに加えて分析IIの個別農家レベルの合理的行動選択に関する分析を行った。分析の具体的な事例として家畜ふん尿堆肥に起因する環境問題を取り上げ,大規模畜産地帯の持続的農業システムの確立に向けて畜産農家間の協力による堆肥販売システムを検討した。まず,数理計画法を用いて畜産農家間の協力体制を前提とした堆肥販売モデルを構築し,その経済性や環境保全効果を分析した。次に協力ゲーム理論を用いて各農家の堆肥販売への貢献度に応じた収益分配方法を考察した。 結果として,地域の環境保全に向けた堆肥販売の効果を最大限に引き出すためには,全ての畜産農家がシステムに参加することが重要である。そのためには,全畜産農家が堆肥販売システムに参加する動機を保証する配分,つまり各農家が独自に販売する場合,あるいは部分的に協力して販売する場合よりも大きな利益が得られる配分を与えることによって,全農家の協力関係を成立させることが可能となることを明らかにした。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の計画通り研究が進んでおり,今年度の研究成果は査読付論文として掲載された。
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今後の研究の推進方策 |
今後は,平成24年度及び平成25年度の研究成果を踏まえて,当初の計画通り研究を進める。具体的には,分析Iの地域全体を対象とした地域農業システムの構築に関する分析と,分析IIの個別農家レベルの合理的行動選択に関する分析について,さらに詳細な分析,考察を行うと共に,分析IIIの地域全体の最適システムと個別農家の合理的行動選択との整合性の検証に関する分析を進める。 また,本研究課題における地域別及び事例別の比較研究に向けて,平成25年度までに確立した分析方法をこれまでとは異なる地域や異なる事例を対象に適用し,調査分析を進める。
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次年度の研究費の使用計画 |
研究計画,研究の進捗状況を踏まえて,平成26年度及び平成27年度において重点的に調査,研究成果発表等を行うため。 上記の理由の通り,平成26年度及び平成27年度の調査,研究成果発表のための旅費等に使用する計画である。
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