食料・農業・農村基本法の制定以降、地域からのボトムアップにより農業農村の活性化につなげる取り組みが行われている。本研究では、「農地リース特区制度」と「農地・水・環境保全向上対策(以下、向上対策)」を対象として、計量経済学的手法を用いて、その効果を定量的に明らかにした。分析の結果、「農地リース特区制度」の活用により企業の農業参入があった市町村では、耕作放棄地発生防止の効果と農家数の減少を緩和する効果が認められた。また、「向上対策」により農業集落内の田の不作付地率の悪化が緩和されたことが明らかとなった。さらに集落内の寄合活動や地域資源保全活動を活性化する効果も確認された。
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