研究課題/領域番号 |
24780223
|
研究種目 |
若手研究(B)
|
研究機関 | 農林水産省農林水産政策研究所 |
研究代表者 |
草野 拓司 農林水産省農林水産政策研究所, その他部局等, 研究員 (70409473)
|
研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
|
キーワード | マイクロファイナンス / インド / マハラシュトラ / 信用組合 / 信用農協 / SHG / Self Helf Groups / 農村金融 |
研究概要 |
経済成長に沸くインドにおいて、農村における貧困問題は依然として深刻である。このような状況下、インド農村の貧困問題を解く1つの手がかりとして、近年注目を集めているインド型マイクロファイナンスSHG(Self Help Groups)の働きに着目する。ただし、このSHGは農村における普及度が地域により大きな偏りをみせていることから、普及のための方策を考える必要がある。そこで注目するのが、インド農村で大きな普及度をもつ信用組合で、この信用組合を利用したSHG普及のための新たな方策を明らかにすることが、本研究の課題である。より具体的に言えば、SHGの結成・育成に大きな成果を収めてきたマハラシュトラ州の信用組合を事例とし、その信用組合が設置して効果的であったと考えられるSHG専門の部署であるWDC(Women Development Cell)の効果を明らかにすることが課題となる。 この課題に取り組むに当たり、今年度の目標は、事例信用組合内部におけるWDCの効果を明らかにすることで、そのために現地調査を行った。この調査は、WDCのスタッフ及び事例信用組合の関係者、全国農業農村開発銀行関係者、SHGのメンバー等を対象とし、聞き取り調査によって進められた。 その結果、WDCの組織構造、信用組合内での位置づけや役割などの実態を捉えることができた。また、WDCが設置されることによって、SHGプログラムへの取組に大きな差が生じていることも明らかになった。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究は、インドでの現地調査をより重視して行うものである。特に、事例対象とする信用組合やSHGのメンバー、比較対象とする信用組合やSHGのメンバーなどに対して、徹底的に聞き取り調査を行うことが最も重要だと考えている。 そこで、初年度の目標として掲げていたのは、事例信用組合内部におけるWDCの効果を把握するためのデータを現地調査により収集することであった。それを行うため、インド西部マハラシュトラ州での現地調査を行い、当初予定していたすべての調査対象に対しての聞き取り調査を完了させ、十分なデータを収集することができた。したがって、本研究はおおむね順調に進展していると判断した。
|
今後の研究の推進方策 |
本研究では、SHG普及のために事例信用組合に設置されたWDCの効果を明らかにするため、①事例信用組合内部でのWDCの効果を把握するための現地調査、②SHGの結成・育成におけるWDCの効果を把握するための現地調査、以上を行うことを当初から予定していた。①については、初年度に達成されたため、今後は②を行う予定である。
|
次年度の研究費の使用計画 |
本研究は現地調査を重視し、それによって課題を明らかにすることを目指している。したがって、次年度においてもインドでの現地調査を行う予定であり、そのための旅費等のための費用が必要となる。また、本研究をより深めるために、国内外の学会や研究会に参加することを予定しており、それにも旅費等の費用が必要となる。
|